M-1という大会はお笑いを目指す人間にとって最高の夢舞台でした。
お笑い好きな私は、過去全大会を見て当然全チャンピオンが言えます。
そんなM-1のチャンピオンを比べたときに1番おもしろいネタのコンビは
サンドウィッチマンだと私は思います
正直、チュートリアルかサンドウィッチマンかは迷いますが、やはりサンドウィッチマンを1番に挙げたいです。
サンドウィッチマンの素晴らしさは「鋭いツッコミ」と「秀逸なボケ」にあります。
サンドウィッチマンのネタの設定はめちゃめちゃな「ベタ」なものです。「ベタ」な設定は誰もがわかるという反面、ボケが出尽くされたものなので笑いを取ることが難しいのです。
そんな「ベタ」な設定にもかかわらず、伊達ちゃんの「鋭いツッコミ」と富澤の「秀逸なボケ」が圧倒的な笑いを生み出します。
特に「ツカミ」は抜群です!サンドウィッチマンのネタは「ツカミ」でほぼ9割方勝ち(ウケること)が確定します。
個人的に「美容室」のネタで、客として入ってきた伊達に対して、美容師の富澤がいきなり鏡を持っていって
富澤(美容師)「後ろこのようになってますが」
伊達(客) 「分かってるよ!」
という「ツカミ」は何度ネタを見ても爆笑させられます。
そんなサンドウィッチマンがM-1を獲った翌年に「敗者復活」という本を出版しています。
部屋を掃除したら久しぶりにこの本と再会を果たしたので、久しぶりに読んで見ました。
そしてちょっと元気をもらうことができたので、ぜひ今日はみなさんにも紹介したいと思います。
サンドウィッチマンに興味がないという方も、何か目指しているものがありながら、堕落していたり、怠けていたりしている人にはぜひこの記事を読んでいただけたら幸いです。
サンドウィッチマンの生い立ちからコンビ結成まで
サンドウィッチマンは高校の同級生だったが、特に仲良しという2人組ではなかったそうです。ただ、お互いに笑いのセンスを認めあっているような仲ではありました。
卒業後、伊達は専門学校を中退し、親のコネで営業の仕事に、富澤はフリーターを経て、仙台でお笑い芸人になります。
富澤は仮の相方とコンビを組んで活動していましたが、後に伊達を正式な相方としてやっていくことを決めていました。(伊達を誘ったものの「まだお笑いはできない」と断られたため)
その後あるとき、断り続けた誘いを伊達が受けたことで、ついに富澤と伊達のコンビが誕生しました。そして2人は東京で活動を始めました。
サンドウィッチマンの売れない時代からエンタの神様出演まで
コンビとして東京で活動を始め、ホリプロの預かりになったもののネタ見せに耐えられずに辞めたり、コンビとして違和感が生まれたことからトリオになる経験をしたりしながら「サンドウィッチマン」というコンビを確立する。
しかし、芸人としては全く売れずに地方の営業やライブでしか呼ばれずアルバイト生活が続く。そして2人は岐路にたつ。
伊達は10年付き合った彼女に結婚を問われるも、芸人として結果を残せていない・貧乏暮らしに巻き込むわけにはいかないという想いから分かれることを決断。
富澤はテレビに出られないことなど将来への不安からネタが書けなくなってしまう。そしてついに伊達に「もうやめないか?」と言ってしまう。(伊達からすると自殺するんじゃないかという不安)
しかし、伊達は即答で「まだ、はやいよ」と答えたことで富澤の悩みは打ち消され、本気の挑戦を決意することにする。
こうして危機を乗り越えた2人は2005年を勝負の年と決め、今年テレビに出られなかったら辞めるという決断をして、全身全霊でお笑いに取り組んでいくようになった。
それからオーディションがきっかけで、エンタの神様のプロデューサーの目に留まり、地上波のテレビ出演を果たすことになり、ようやく芸人としての仕事だけで食べていけるようになった。
サンドウィッチマンのM-1での敗者復活戦からの劇的優勝
サンドウィッチマンは2002年からM-1に出場していたものの、吉本の大会だから(吉本の芸人が勝つようになっている)と本気で挑戦していなかった。
その後、仲のよい吉本じゃない芸人が勝ちあがっていくさまを見て、心を入れ替え本気で挑戦していく。
そして2005年、2006年、2007年と3年連続準決勝まで残ったものの、決勝には残れなかった。
しかし、2007年のM-1決勝当日の大井競馬場での敗者復活戦で見事に勝ち、決勝が行われているテレビ朝日に向かうことになった。
決勝では「街頭アンケート」、ファイナルでは「ピザのデリバリー」というネタでいくと移動中に決め、ついに決勝の舞台でネタを行う。
それまで1位だったキングコングを抜き、見事に1位通過でファイナルに進出。
そしてキングコング、トータルテンボス、サンドウィッチマンの3組でのファイナルで7票中4票を獲得し、見事にM-1グランプリ2007の王者になった。(敗者復活からの優勝はM-1史上初)
M-1チャンピオンになった後のサンドウィッチマンの活躍はみなさんもご存知でしょう。
サンドウィッチマンの「敗者復活」から勇気をもらう
この本は
「何かに挑戦してる人」「何か目標に向けて走っている人」
に力をくれる本だと思います。
さらに言うなら、それらの夢や目標がありながらも、堕落していたり、怠けていたりしている人は本当に読むべき本だと思います。私もその1人です(笑)
私は特に自分と富澤とを重ね合わせて読みました。富澤と私はかなり近い(似ている)人間だと思ったからです。
人間関係が苦手、選択肢に「死」がある、破滅志向などの性格は完全に自分と勘違いするくらい似ている部分だと思います。
なので、そんな富澤の言葉が特に心に残りました。
最も必要なのは「気持ち」だ。
笑いに対して、どこまで本気になれているか。
笑いに対して、極限までモチベーションを上がられているか。
笑いに対して、24時間没頭しているか。
運命も縁も、気持ちが強くなきゃ、引き寄せられない。
自然の流れとか、偶然の積み重ねで成功した、という考え方に、僕は抵抗したい。
気持ちのない奴に、人生は変えられないんだ。
富澤はなんとなく自分と同じタイプの人間だと思っている。なので私は富澤という人間は比較的冷めている人間なのではと予想している。
何かしていても、熱中してもどこかで人生自体に冷めているという意味で(もちろん実際は知らないが)。
そんな富澤という人間が「気持ち」が最も必要だというのです。
自分は「ブログで飯を食う」という夢を持ち、2月いっぱいで会社を辞めました。それはブログのことを24時間考え、ブログを書くためでした。
にも関わらず、長期休暇の感覚に陥りかなり怠けていました。毎日外出してはパチンコ・パチスロに精を出してしまいました。(「ブログで飯を食う」という夢の難しさから現実逃避というのも大きかったですが・・・)
そんな堕落していた馬鹿野郎な私に、この富澤の言葉は響きました。
そして心を入れ替えて「ブログで飯を食う」という夢に向けて、また本気で挑戦しようと思わされました。
24時間ブログのことを考え、ブログを書き続けるという行動を怠けず一生懸命やらないといけません。どんな夢でもそのくらいの「気持ち」じゃないと叶うはずがありません。
気持ちのない奴に、人生は変えられないんだ。
という富澤の言葉を心に刻んで。また明日からも頑張ります。